学術集会長挨拶


1963年にわが国において理学療法士養成校での教育が始まり、理学療法士及び作業療法士法の公布から50年を迎えます。その間に理学療法士は、社会の要望に応えるべく、臨床・教育・研究活動に励んで参りました。法によって定められた国家資格を有する専門職の教育ニーズは、社会の要望から決定されます。さらに、教育目標は、教育ニーズを元に現実的制約を考慮して決定されます。よって、理学療法士の教育目標は、この50年間で理学療法士に期待される役割とともに変化してきました。現在の社会では、超高齢化を迎え地域医療の在り方を変えようとしており、理学療法の専門性の多様化と水準の深化が望まれています。理学療法士教育には、学内教育と卒後教育の継ぎ目のない生涯学習の在り方が重要なものとなってきています。そのため、本学術集会のテーマを「理学療法教育と卒後の目標」といたしました。

次年度には学校指定規則の改定が予定されています。特別講演では、吉元洋一先生(鹿児島大学)に指定規則の改訂についての情報を提供していただきます。また、本学会の翌日に開催される日本運動器理学療法学会とのコラボレーション企画としてシンポジウムを設定し、運動器理学療法教育と卒後の目標について専門領域の教育としての具体的な提言をいたします。さらに、本テーマに準じた指定演題の発表も含め、これからの時代を見据えた「理学療法教育と卒後の目標」について明確な方向性を検討し、それぞれの養成校、臨床において教育目標を達成すべく方略を作成していただけるように、皆様と本学術集会のテーマについて論じていきたいと考えております。

本学術集会に積極的にご参加いただき、参加者の皆様にとって実り多き学術集会となるように衷心よりお待ち申し上げます。

 

 第2回日本理学療法教育学会学術集会長  

  酒井 吉仁(富山医療福祉専門学校)